• 2014/01/06
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年頭の辞

本願寺の大谷光真門主様より年頭の辞が発布されました。本年度6月6日法統継承式が勤めされるので、現御門主さまとしては最後の年頭の辞となります。どうぞご覧下さい。

光寿無量

門主を継承してから三十六年と九ヵ月過ぎました。中国の善導大師のお言葉に「人間怱々(そうそうとして衆務を営み、年命の日夜に去ることを覚えず(中略)いまだ解脱して苦海を出づることを得ず」(『往生礼讃』)とあるのが、身にしみて感じられます。今年六月の退任まで、心して、勤めたいと思います。

年齢とともに、時の経つのが速くなるように感じられることは、多くの方に共通しているようですが、近年は世の中の変化そのものが速くなっており、一層、慌ただしく感じられます。この変化は主として、科学技術の発達と経済活動の進展によるものですから、人間一人一人の生活や社会の仕組みがうまく対応できるとは限りません。企業の盛衰や人々の生活格差は激しくなっています。それに対処できる国内の仕組みや国際的な協調が追いつきません。そのためか、過去を問わず、未来を考えず、今さえよければ良いという風潮が感じられます。それでは、過去の過ちを繰り返したり、子孫の世代に負の遺産を残すことになります。

仏教の役割は、移り変わる世の中を生きる人間に、変わることのない依りどころを与え、恵まれたいのちを精いっぱい生きるように導くことではないでしょうか。浄土真宗では、阿弥陀如来の本願すなわち南無阿弥陀仏が依りどころです。阿弥陀如来に無条件に受け容れられることによって、私は不都合な過去も受け容れるようになり、今、生かされていることを喜ぶことができます。

今年も、お念仏を申して、一日一日を大切に過ごさせていただきましょう。

平成二十六年一月一日