天真寺通信

みんなの日曜礼拝

現世利益和讃

天真寺本堂では、毎週日曜日朝7時から「みんなの日曜礼拝」がつとまります。
今回のご講師は、奥住先生。。奥住先生は、隣寺のS寺さんの衆徒であり、東方学院では「中論の思想」「唯識説」を教えていらっしゃる先生です。
この度は現世利益和讃についてご法話を頂きました。現世利益と言えば、私が神や仏に向かって願いごとをする。めぐみを預かる目的で行をすることで、神仏に願いを聞いてもらう一つの方法と思われております。ですが、浄土真宗のご法義では違う。真宗に心を向けて学び始めの頃、ある法話の会にて、島根県から出てこられた先生が 現世利益のお話をされました。一般的な現世利益のイメージのように、願いをすればこういう利益に預かると言う話と思っていたが、そんな話ではありません、そういうことは一切不可能ですという、お話でありました。
そうではなく、阿弥陀如来は48願をたてられた。一切衆生の願いをいろいろな形で拡大された形で、建てられている。その願いの成就した仏国土を極楽とよび、すでに、阿弥陀仏になることによって、48の願いを込められている。それは、私がお願いしますとしなくても、阿弥陀如来が準備して与えて下さっている。ありがたく受け取って、感謝の気持ちで、南無阿弥陀仏とお称えさせていただくのです。
そして、念仏称える人はすべてが守られているです。悪い神様・仏さまは、念仏の行者を守る側に立っている。すべてが念仏の功徳によるのです。そのこころが、「夜昼常に守るなり」と5回出てきます。その言葉を通して、九条武子さんの「聖夜」をご紹介下さいました。
聖夜
星の夜ぞらのうつくしさ  たれかは知るや天のなぞ
無数のひとみかゞやけば  歓喜になごむわがこゝろ
ガンジス河のまさごより  あまたおはするほとけ達
夜ひるつねにまもらすと  きくに和めるわがこゝろ
(大谷嬉子篇『九條武子全歌集 無憂樹(あそか)』
❒一口メモ❒
(公益財団法人)東方学院について
中村元東方研究所を母胎として発足。東方学院の理想に賛同する学者個人とそのもとで学ぼうとする学徒によって構成される共同体としてのグループの連合体。さまざまな講義のプログラムがあり、仏教入門から仏典、さらには仏典が書かれているパーリ語などを学べます。
http://www.toho.or.jp/gakuin.php
【みんなの日曜礼拝とは】
天真寺本堂では、毎週日曜日朝7時から日曜礼拝がつとめられます。 天真寺住職をはじめ衆徒が輪番制にてお勤めをしております。 毎月第1週の日曜日は、僧籍をお持ちの方、仏道を志している方(例えば、中央仏教学院通信講座を卒業。または、通学している)、天真寺門信徒の方に調声をしていただく参加型の「みんなの日曜礼拝」です。

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