天真寺通信
お題法話~仏教用語禁止編~
昨日は、寺社フェス「向源」の「お題法話~仏教用語禁止編~」にて10分法話をさせていただきました。
お客様から頂戴したお題「いちご・さくらんぼ・川・猫・令和」を使用して法話をします。しかも、仏教用語は禁止です。今回の法話者は、浄土真宗大谷派平松さん・臨済宗野村さん・浄土真宗仏光寺派英月さん・浄土宗ムクシナさん、浄土真宗本願寺派の西原龍哉です。
私は、お題法話には何度も経験しているのでトップバッター。最近は考えながら、話の構成を考える技術を身につけてきました。2番目からはあみだくじ.comという最先端の機能を使ってメンバー決めであります。「あみだくじ」も、阿弥陀様を語源とするので、仏教用語になりNGとなります。
法話者の写真を撮影しましたが、自分の話が終わってホッとしていたので、奇跡的にみんなの視点がずれております。今回NGワードは「世界」「大丈夫」「大事」「挨拶」「お茶」などでした。
さて、今朝7時~日曜礼拝の担当が私(西原龍哉)。今朝は、本日の御文章「睡眠章」にあります「油断」という言葉をテーマとしてお話しをさせて頂きました。「油断大敵」といいますが、こちらも仏教用語であります。
油断の語源にはさまざまな説がありますが、涅槃経に説かれている一説です。(『御文章』宇野先生より)
まず「仏道を求める者は、無常のいのちに緊張し、さまざまな誘惑に惑わされることなく、修行に集中すべき」とのべてその心構えの譬であります。
ある国王が、二十五里四方の囲いの中に、人々を集め、雑踏を作ります。そして、国王がは、1人の家臣に油の入った鉢をもたせて「この鉢を持って雑踏を通り抜けよ。ただ、油をこぼすことを許さない。もし、一滴でもこぼしたなら、即座に汝のいのちを断つ」と、命令します。さらに、もう1人の家臣には刀を抜かせて、鉢を持たせた家臣に付かせたのです。鉢をもたされた家臣は、恐怖と緊張から、一瞬も心を弛めることなく、雑踏の中で起きる、さまざまな衝撃や障害にこころを遣いながら、緊張と集中力によって、雑踏を通り抜けることができた」という内容です。仏道を求めるものもこのように、自身が求めるべきものをハッキリと自覚し、さまざまな誘惑に心を乱すことなく、いのち懸けの緊張感があれば、必ず目的を達成できるということ。
油断とは、油がこぼれないよう緊張と集中して、命がけで仏道修行すべき事であります。蓮如上人の御文章「睡眠章」には、「今日まで往生の期も、いまや来たらんと油断なくそのかまえは候」「面々の心中もことのほか油断どもにてこそは候え」と仰っております。
私が油断なく仏道修行をするのではなく、明日をも知れないわが命の行く末を、阿弥陀様にお聴きすることを油断なくするようとのお言葉であります。有り難くお聞かせ頂きました。
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