天真寺通信
お正月の迎え方
お正月の迎え方
早いもので今年も残すところ、あと十時間を切りました。
近づくお正月を、浄土真宗の門徒である私たちは、どのように迎えたらいいのでしょうか。
新しい年を迎えて、家族や親族が集まり、今年もいい年になるといいなと楽しい時間を過ごされることしょう。めでたいめでたいと、この時とばかりお酒飲み過ぎ、お餅やおせち食べすぎて太ってしまったということありませんか。
「トンチの一休さん」の名で親しまれているお坊さん、室町時代の一休禅師が年の初めにあたり詠まれたが歌あります。
門松は 冥土の旅の 一里づか めでたくもあり めでたくもなし
下の句は本来「馬かごなく とまり屋もなし」詠まれたものですが、現在では「めでたくもあり でたくもなし」と知られいます。いずれにしても新年の祝いで浮かれてい私たちのすがたを見て詠れたものです。
「おめでたがって迎えお正月の門松も、「死」へ向かう道のりの一里づかだぞ。よろこんでばかりいていいものか」。ちょっと皮肉っぽいところが一休さんらしい独特の表現ですが、すべてが移り変わる無常な日々を生きている私に、「いつまでも続くいのちではないんだよ、今を大切にしっかり生きなさい」と、大事なことを教えてくれています。
実は現在私たちが行っているお正月の習慣は、五穀の神である「年神さま」をお迎えするために続けらてきたものです。例えば門松は年神さま我家に降りてこられる目印として門前に立てられ、鏡餅は年神さまへのお供えものでありました。ひとつひとつの行事には、農耕民族である日本人が、実り多い一年となりますようにとの願いから続けてきたもなのです。
古来よりの伝統も大切ですが、お正月は仏教徒とての自覚を新たに迎えていただきたいものです。年内のうちに、お仏壇のススやほこりをきれいに払い、おみがきを済ませます。そて元旦には、お荘厳をととのえたお仏壇で、すがすがしい気持ちで家族揃って手を合わせます。そして初参りはお寺へと出かけ、今年一年も仏さまのいのちなかに生かせていただく日々に感謝を込めてお参りさせていただきましょう。
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