天真寺通信

天真寺

70年目の原爆の日

本日8月9日、長崎に原爆を投下されてから70回目の夏を迎えます。爆心地に近い平和公園(長崎市松山町)では、「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が開かれます。長崎市の田上市長は平和宣言で安全保障関連法案に言及し、政府に対し国会での慎重な審議を求めます。
天真寺駐車場には、長崎県山王神社の境内にそびえるクスノキが成長しております。昭和20年の原爆で主幹の3分の1以上を失い、一時落葉し枯れ木同然になったにも係わらず、2年程度の後奇跡的に再び新芽を芽吹き、次第に樹勢を盛り返し今日に至っています。新宿の日蓮宗経王寺さんよりお受け致しました。
天真寺に来たときのクスノキの苗木は小さかったです。
被爆クスノキ
■松林宗恵映画監督による植樹式の映像(コアラテレビ)


今では5m以上に成長しております。
被爆クスノキ
毎年、原爆の日を迎えると、このクスノキが天真寺に来た時、御門徒Hさんが伺った話が思い出されます。
今日、ご門徒のHさん宅をお盆参りで訪れました。Hさんは学校の先生を勤め上げ、今でも書道やピアノを教えられていて、いつも楽しいお話を聞かせて下さる方。そこで届いたばかりのクスノキの話をすると、「そのクスノキ大事にしてください」とこんな話を聞かせて下さいました。
Hさんは東京深川に住んでいらした時、東京大空襲、そして爆撃による火の海を経験されました。戦争を経験していない人は分からないかもしれないけれど、私たちが今生きいるのはどれだけの犠牲になった人たちの上を生きているのか。ぜひ「クスノキ」を大切にして、そのこころを伝えて下さい、とおっしゃいました。
私は戦後生まれ、戦争の悲惨さを身を以て感じることはありません。しかしHさんのお言葉やこの「クスノキ」の姿を見ていると決して2度と同じ過ちを犯してはならないと実感します。このクスノキが松戸の地に根を生やし、空高く幹を伸ばしていけるような平和な世界を作っていかなければと思います。
☆☆被爆クスノキの由縁☆☆
山王神社の境内入口にそびえる2本のクスノキは、樹齢約5~600年、胸高幹囲がそれぞれ8メートルと6メートル。共に昭和20年の原爆で主幹の3分の1以上を失ったため、 樹高は10メートル内外ですが、四方に張った枝は交錯して一体となり、東西40メートル、 南北25メートルの大樹冠を形成しています。原爆被災により一時落葉し枯れ木同然になったにも係わらず、2年程度の後、奇跡的に再び新芽を芽吹き、次第に樹勢を盛り返し今日に至っています。また、蘇った大楠に直接手を触れ、その生命力にあやかろうと毎日多くの参拝者の方が訪れています。
【長崎・山王神社ホームページより】

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