天真寺通信

天真寺

彼岸最終日

グチコレ
3月17日~23日、春彼岸です、そして本日はお彼岸最終日です。暑さ寒さも彼岸までといいますが、今日はあたたかな一日でしたが、明日から冬に戻るようです。
今年のお彼岸は、東京のお寺さんの定例法話会のご縁を頂き、体調を崩されたご住職が4年ぶりにお通夜・お葬儀をおつとめし、白衣・黒衣のお衣を着用して「葬場勤行」を読誦するのは久しぶり、お経本を肌身は出さない姿を見て、「正信偈」のお勤めする一言一言が聞こえてきて、ご縁の有り難さを感じました。
また、昨晩は四谷三丁目の坊主バーさんにてグチを聞き社会に公開する「グチコレ」を開催してきました。20代女性の恋愛、仕事を継承する跡継ぎのお悩みを聞かせて頂き、ある40代の女性からは「怒りの心をどうしたらコントロールできますか」とお悩みを伺いました。
そんなお話しを伺いながら、妙好人の源左さんの話を思い出しました。ある方が源左に「わしゃ癇癪性でやぁ」と言うと、源左さんは「旦那さん、なんとあんたはええものを持ってなんすなぁ。癇癪は癇癪玉ちゅうて、宝ですけぇなぁ。玉ちゅうもんは、めったに人に見せなはんすなよ」とお答えになった。怒りの気持ちを相手に投げつけるのではなく、癇癪を起こす私を阿弥陀さまはお目当てとして働きかけてくださる。嘆き悲しみ苦しむいのちを見捨てることができないとはたらいて下さる。仏様と出会わせて頂くご縁となる。あまり人様に見せる邪魔になるどころか、阿弥陀様のはたらくよすがの手がかりの玉となる。仏様にであわせて頂くご縁として喜んでいく世界があるといことを。
今回お話しさせていただいたのは、ある一流ホテルの電話対応についてです。一流ホテルの電話対応はなにが何が違うのか。時には、イラッとするクレイマーさんからの電話もあります。一流ホテルの電話対応係の前には、鏡が置いてある。受話器を取る時、自分の顔を確認してから電話対応をする。怒っている自分の顔ってみたことはありません。自分の顔に映し出された心を俯瞰的に見ることで、自分の心と向き合うこともできる。顔が笑顔になると、自然と言葉もあたたかくなっていきます。
我執の世界で我執のモノサシをもって生きていく毎日。その人生を、仏様のお慈悲の中に物事を見ていく世界もあれば、仏様の智慧の世界から見つめていく世界もあります。仏法に出会うということは、仏様の視点をいただくこと有り難し。今年の春のお彼岸、さまざまなご縁に感謝です。

カテゴリ

アーカイブ

天真寺日記