天真寺通信
グチコレを本願寺新報にて紹介頂きました
築地本願寺が発行する『築地本願寺新報』にて、「新しい伝道のカタチ」のコーナーにて、グチコレの活動を紹介頂きました。グチコレとは、街中にて一般の方々のグチを聴き、集めるグチをコレクションする活動「グチコレ」です。集められたグチにはお坊さんがコメントを添えて、インターネットサイト(他力本願.net HP)にて公開し、社会全体で共有しております。
[グチコレ]
https://www.facebook.com/guchi.tky
先日、お伺いしたグチは、今まで会社の出世ルートを歩んでいたが、上司の失脚により「会社の出世コースから外れた」というグチでした。お話しを伺っていると、すでにこの機会をチャレンジのご縁と捉えて、新しい道に進み出していました。お釈迦様がお弟子達に伝えたことは、説法に向かう時には、仲間を作っていくのではない。法然上人もしかりです。組織を作ると、組織を守るために、物事の本筋からずれてしまう悲しさを知っていらっしゃったのです。確かに、一般的に成功と思われるレールを進んでいく道もありますが、その結果、満たされる場合もあれば、何のために生きてきたのかと悩むかもしれません。「自分が自分でよかった」自分の人生にうなずくことができることが大切ではないかと思います。
「グチ」といえば、ネガティブに捉えられます。グチは、仏教語であり、三毒の煩悩(貪欲・瞋恚・愚痴)の代表であります。
三毒とは、
[貪欲]貪りの心、どこまでいっても満たされることを知らない、足る知らない心
[瞋恚]むさぼり続けるが思い通りにならず憤る心
[愚痴]自分の思い通りにいかず不平不満をこぼしている心
この貪欲・瞋恚・愚痴の三毒は、別々の心の状態ではなく、つながっています。真実をありのままに見ることが無明が原因となって、事実を事実として引き受け取っていくことができない心の状態を表す。今の現状を言葉にして、整理をして、自分が自分と向き合う場、我が身の姿を受け入れてグチを本音と向き合うポジィブなことと捉えて行きます。ストレス解消に一番良いことは、ため息だと言います。ふっとたまっている息を吹き出す、吹き出したならば、新しい空気を身体に取り込みます。
愚痴の「愚」は愚かさ、「痴」は”やまいだれ”に知識の知です。自己中心に考える分別の知識は、入院しなければいけない状態なのです。その犯人は無明、どこまでいっても現実・事実を受けられない愚痴三昧の私の姿を表します。その現実をネガティブではなく、ふっとため息をつくように、見つめていく時間がグチコレなのかもしれません。
グチコレのコンセプトは、
「無縁社会において、家庭でも学校・職場でも安心して愚痴や本音を話しづらい傾向にある。そのためグチコレは、ホッとできる「第三の居場所」を心がけ、幅広い世代の多種多様な悩みにリアルタイムに向き合っている。そして、愚痴を抱える己のあり方を見つめ、愚痴を言い合うことで、お互いを認め合える心豊かな社会をめざしていく。」と言うことです。なぜ愚痴を言えるのでしょうか。それは、真摯に愚痴を聞いてくれている人がいるからです。いつも愚痴ばかり言う人は、話を聞いてくれる人がいないから、ストレスがたまり、愚痴となって吐き出されます。その愚痴を受け止めてくれる人がいれば、ただの愚痴から、自らと向き合う大切な愚痴へと質的な変化が生まれます。現在の競争社会は、人に弱音を吐いてはいけない、負けてはいけないと、愚痴を吐く=負けというイメージがあります。そうではなく、愚痴を言う人、愚痴を聞く人、愚痴を言うことが当たり前の社会になれば、この窮屈なストレス社会には、大きな力になると思います。
また、東京大人グチコレでは、愚痴に対して、お坊さんが仏教から見るコメントがあります。
例えば、
[グチ]
「つきあう相手がダメンズばかり」
お付き合いする男性が、「ダメンズ(駄目な男性)ばかりだ」というお悩みをいただきました。彼氏が困っていることがあれば、何でもやってあげたくなってしまう。自立できない男をみると心配でほってはおけない。よく友人達からお人好しと言われるそうです。おつきあいする相手がダメンズばかりなのでどうしよう、とお話くださいました。(西)
[お坊さんコメント]
責任感が強いのですね。仏教では全てのものは関係性のなかにあると教えてくれます。あなたが放っておけないと思って相手の面倒を見ることは、同時に「誰かの居場所になりたい」「人の役に立ちたい」というあなた自身の心をダメンズという存在が満たしてくれているとも言えます。では、「どうして自分にはそうした心が生まれるのか」と考えてみると、そこにダメンズに惹かれてしまう自分自身をよく知るヒントがあるように思います。他者というのは、いつでも自分のすがたを映して出してくれる鏡なのです。(横)
[グチ]
「息子が話をしれくれない」
50代男性から「息子が話をしてくれない」というお悩みを伺いました。といいながらも、お父様と息子さんと親子で一緒に坊主バーに来店され、いろいろなお酒を楽しんでいらっしゃいました。「公務員試験の受験浪人している息子が心配だ」とも話され、あたたかい親子の姿を見せていただき嬉しくなりました。(西)
[お坊さんコメント]
あたたかな雰囲気が伝わってきました。「親思う心にまさる親心」という言葉がありますが、いくつになっても子どものことが心配でならないのが親というものでしょう。また子どもには子どもの思いがあって、それを告げないのは親を気遣ってのことかも知れません。親子の交流というのは何も言葉を交わすことだけではなくて、黙ってお酒に付き合うというのも、子が親の心に触れている姿なのだと感じました。(白)
という形式にて、本願寺が運営するインターネットサイト他力本願.netにて情報がアップされていきます。
ぜひぜひ、ふ~とため息をつくように、1人グチを言うのも良いですし、グチコレのメンバーにやるせなさを語って下さい。
明日4月19日(火)20時~、大人気の四谷三丁目坊主バーにて、グチコレがオープンします。
お仕事帰り、おいしいお酒を楽しみながら、グチをはき出してスッキリしてみませんか!!!
☆☆☆ 東京オトナグチコレ☆☆☆
https://www.facebook.com/guchi.tky
4月19日(火)午後8時~10時
四谷坊主バー 新宿区荒木町6 AGビル2F http://vowz-bar.com/
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ちなみに、ゴールデンウィークには、世界最大級の仏教フェス『向源』にもグチコレがオープンしますので、ぜひお越し下さいませ。
http://kohgen.org/
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