天真寺通信

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大白隠展

仙台
久しぶりに仙台へ。ちょうど、宮城県歴史博物館にて白隠展が開催されていたので、のぞいてきました。
禅門では、この瞬間を生ききる、存在そのままありのままを受け入れる事の大切さを説きます。その禅門を生きた白隠禅師にはたくさんのエピソードがありますが、その中一つの逸話を紹介します。白隠禅師は静岡県出身。禅師が住んでいた村にいる豆腐屋の娘が妊娠をしました。父親は、娘に相手はだれなのかと問い正すが、娘は沈黙を貫く。何度も何度も聞き出そうとする、娘はその苦悩から逃げ出す一案を思いついた。それが、父親は白隠禅師を尊敬している。そうだ!「白隠禅師がお相手です」と答えたのです。娘の子どもが生まれました。父親は、生まれたばかりの子どもを禅師のもとに連れて行き「あなたの子どもです」と手渡した。
白隠禅師は、「ああそうですか」と、生まれたばかりの子どもを抱きかかえた。
父親は「娘の子どもをはらませて・・・」思いつく限りの罵詈雑言を白隠禅師に投げかけた。
すると白隠禅師は「ああそうですか」と生まれたばかりの幼子を抱きかかえている。
それから、白隠禅師はどこへいくにも、ぼろぼろの衣の懐には生まれたての子どもを抱きかかえ「子どもにミルクをお願いします」と歩き回った。その姿を見た弟子達は禅師に失望をして離れていった。
その姿を見ていた娘は、どうしたか。自分の子どもへの後悔の念、そして白隠禅師への悔恨の念から、父親に本当の相手の名前を打ち明けた。父親はすぐさま白隠禅師の元へ駆けつけ、何度も何度も謝って繰り返し許しを乞うた。
すると白隠禅師は、「ああそうですか」とだけ言って、生まれたばかりの子どもを返した。
というエピソードです。。。ここには、善悪・好き嫌いというフィルターを通さないで、物事をありのままに見て、受け入れていく尊い生き方が示されています。。
帰り際、仙台駅を通ると、学生達が集合しており、先生から「家に帰るまでが修学旅行ですからね」と忠告されていた。懐かしいなぁと思いパシャリと一枚です。

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