天真寺通信

天真寺

死んだっていうからおかしいんだよ。先に行っただけなんだから。永六輔さん

天ちゃん
最近、ご法事にて永六輔さんのお話を紹介しております。永六輔さんは、浅草にある浄土真宗のお寺・最尊寺ご出身。放送作家、「上を向いて歩こう」「こんにちは赤ちゃん」などの作詞を手がけ、ラジオのパーソナリティーなど、戦後の日本のメディア界を牽引してきた一人であります。
その永六輔のお別れ会、元アナウンサーである娘の永まりさんが親族代表の挨拶をされました。そのエピソードを紹介しております。こちらは、「キンスマ」にて紹介された、その挨拶を聞いて感動された古舘伊知郎さんのコメントです。
生前より、父は口癖のように申しておりました。そもそも、浅草にあるのお寺にて生まれ育ちましったからでしょうか。人は二度死ぬ。一度目は個体死。心臓停止、脳死なのか、個体が潰えたら一度目の死。そこから先まだ生きている。二度目の死がないと、ずっと生きている。死んでも、だれから自分のことを思ってくれている、だれかが記憶に残してくれている。時折語ってくれる。それがある間は生きている。世界中で誰一人として、自分のことを覚えてくれている人がいなくなった時、二度目の死を迎えて、人は死ぬんだよ。おしゃべりの父なので、街角を散歩しているかも知れません。父を見かけたら声をかけてみてください。父もしゃべりかけてくれると思います。どうか父は一度目の死しかむかえていないので。どうも皆さん有り難うございました。
というエピソードです。人間の死を迎えて終わりではない。こんなことも語っています。それは、死は特別ではない。「死んだっていうからおかしいんだよ。 先に行っただけなんだから。」とおっしゃっていらっしゃったそうです。「先に行っただけなんだから」といえる世界、そこにはあらゆるいのちを浄土へ救いとると誓われた阿弥陀如来の慈悲の世界があります。
本日、八柱霊園にて墓前にてご法事をお勤めしました。すると、施主様が、実は、永六輔さんと一緒に仕事をしましたとおっしゃいます。昔、ある文化会館にて、永六輔さんの講演会を開催した。すると、想定以上の来場者があり、入場できない方々であふれた。すると、永六輔さんは、前の席をかたづけて、一人でも多くの方々が来場できるように対応された。そんな心の広い大人の方と出会えて良かったです。今でも忘れられませんと。
ご縁って不思議ですね。

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