天真寺通信

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女子高生用語になった卍の秘密

卍
最近、女子高校生(JK)の間で、「卍」が流行しているといいます。「マジ卍」「卍からの卍」という言葉で「まじ?」という意味と発音が似ているので、会話の中で使われております。それ以外にも、JK用語では、「了解」を表す言葉が「りょ」といい、省略型が人気があるようです。
本日、仏教電話相談をしていると、ある編集者の方から、「仏教での卍の意味は?」という問い合わせがありました。そこで、「卍」について調べてみました。卍は、お寺を表すマークであったり、ナチスドイツのシンボルである「かぎ十字」「ハーケンクロイツ」に似ています。日本では、明治13年、国土地理院が決めた「仏閣」を表す地図記号となっております。
仏教語として用いられる「卍字」は、インドに起源があり、「卍」はインドで用いられ、仏教とともに中国に導入されたとき、「卍」が非常に縁起のよいものであるということから、吉祥萬徳が集まる「萬」の字をあてて表現され、「卍」の音を「まん」と呼ぶようになりました。卍の意味は、サンスクリット語では、「シュリーヴァッツァ」「スヴァスティカ」のこと。「シュリーヴァッツァ」は、ヒンズー教のヴィシュヌ派の主神・ヴィシュヌ(化身のクリシュナ)という神の胸にある渦をまいた胸毛。幸福を表す意味があるようです。日本では、奈良時代の薬師寺本尊である中尊の薬師如来の掌と足の裏に描かれたものが最古の例とされております。仏様の三十二相第十六として「胸有萬字」があげられています。というように、寺院を表す卍記号には、何百年という時間をかけて、インドから中国、そして日本へと伝わってきた言葉であり、「吉祥幸福」という意味があります。
当たり前にされている会話「まじ卍」の中に、吉祥幸福の用語が使われているのはうれしいことですね。さらに一歩進めて、全く知らなかった人と人が出会い共となったことに「ありがとう」(有ること難し)のかけがえのないご縁であったんだねと、喜ぶことができるとさらに豊かな一日になりそうです。女子高生が「マジ卍」と言った時は、「まじで寺なんだけど」という意味ではなく、会話の内容をきちんと聞いておかねばですね。

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