天真寺通信

天真寺

享年と行年

本日は、故人様の亡年月日を表す「享年と行年」についてです。
過去帳に故人様の名前を記載する際、「享年と行年どちらにしたら良いのでしょうか」というご質問を頂戴致します。返答は、「個人的にはどちらでもよいです」とお答え致します。ですが、お迷いになられている場合は「享年」とお伝え致します。
「享年と行年」に関する資料として、以下情報をアップします。
㈠享年の享とは授けていただいたということ(ある法話集から)
享年とはどうんな意味があるのですか???
そうですね。行年とかくこともありますが、享年何歳とお書きになるお坊さんも多い。享年の「亨」とは、「お供えする」という意味もありますが、「いただいた」「授けていただいた」という意味を持っている。享年80歳といえば、「ご先祖から途切れることなく続いた尊いいのちをいただきました。そして人間にしていただき、人偈として生きるために、水や空気、人間以外の動物や植物のいのちを植物としていただきました。自分以外の多くの方々のお世話をいただきました。あれもこれも授けて頂きっぱなしで80年生きて参りました。有り難うございます。」という意味なのです。ですから、「享年80歳」と刻むのです。
・・・・そして、最後の一言を悩んでいた相談者さん。
「最後のひと言です。いよいよこの世とのお別れする時、何かひとこと言ってさよならをしたい。「なにもかもお授けいただいて有り難うございました」のひと言でお別れします。
老僧が答える。
「大正解です。その通りです。「私が、私が」とか「私のもの、私のもの」と「我」にしがみついて生きている私たちですが、よく考えてみると、みんあ「いただきもの、授かり物」なんです。心の底から「何もかもお授け頂いてありがとうございました」とひと言言って人生を終えることができればいいですね。
㈡WIKIPEDIAによると、享年とは人が「天から享けた年数」という意味であり、この世に存在した年数である。「行年」ともいい「娑婆で修行した年数」、「行(時が進むの意味)の年数」の意味。「享年70(満69歳)」(数え年の場合)のように用いる。享年を数え年ではなく満年齢で表し「享年69(歳)」と表すこともある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AB%E5%B9%B4
㈢日本語情報資料館には、「亡くなった人に「享年○歳」の「歳」をつけた方がよいか,付けない方がよいか,教えてください。」と質問があり、本来は「享年いくつ」と年数で止めるのが漢語の世界の伝統のようです。ただし、「享年○歳」の用例は近世の文語平叙文にも出てきますので、使ってとがめられるほど大きな間違いとはいえないでしょうとあります。。。
https://web.archive.org/web/20100212053735/http://www6.kokken.go.jp/kotoba_faq/360.html

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