天真寺通信

墓地

浄土真宗の墓地

只今、月刊天真の特集号「墓地」を編集中。
こちらは、天真寺のふるさと島根県邑智郡にある大坊守の実家のお墓です。
浄土真宗の墓地
ご覧の通り、山の中にありますが、大きなお墓です。。。
浄土真宗の墓地
浄土真宗の墓地には、いつくかの特色があります。

㈠正面には南無阿弥陀仏
「南無阿弥陀仏」の六字の名号を刻みます。「必ず救う」と誓われた阿弥陀仏にすべてをおまかせするのが浄土真宗です。墓石を拝むのではなく、阿弥陀仏のお救いを仰ぎ拝むのです。また場合によって、「倶会一処」とも刻みます。『仏説阿弥陀経』に説かれる文で、「倶会一処」と読み、お念仏申すものは、いのち終わってもお浄土で再び会うことが約束されていることを教えています。〇〇家という家名は、一段下の台石か門柱に刻みます。
㈡法名は法名碑に
法名碑には、故人の法名、俗名(生前の名前)、享年を刻みます。墓石の横側でも構いません。霊標などとはしません。先祖代々を記す場合は、「〇〇家倶会一処」「〇〇家先祖代々倶会一処」とします。先祖代々霊位、供養等の言葉は用いません。
㈢どうして卒塔婆をたてないの
卒塔婆とは、インドの言葉である「ストゥーバ」の音訳であり、「塔」のこと。塔とは積み重ねるという意味です。塔婆は、善を積み、その善を故人の供養に振り向けるために立てます。阿弥陀仏の本願によって往生成仏させていただくという教えをいただく私たちには、故人のために善を積むという追善供養は必要がありません。すべてを阿弥陀仏におまかせするのですから、観音像、地蔵像など、他の仏・菩薩像、宝塔なども建立しません。
㈣いつ建てるといいですか
時期の善し悪しはありません。家族の思いや資金など、縁がととのった時ならいつでも良いです。また納骨をする時期もいつでも構いません。
また建立の日付は「吉日」とせず、日付を記すなら○年○月彼岸、〇年〇月○日と刻みます。
㈤お墓の向きは?
浄土真宗には墓相という考えはありません。お墓にまつわる迷信がさまざまありますが、こだわると迷いを一層深くするだけです。気にする必要はありません。お墓の向きや方角によって幸・不幸になるというのは、仏教の根本思想である因果の道理に反します。どのような向きや方角で建てても構いません。お参りしやすいお墓を建てましょう。
㈥お墓を建てたら法要は?
「建碑法要」(建碑慶讃法要)をお墓の前でつとめます。これは新しいお墓を建てたお祝いの法要です。浄土真宗では「開眼」「魂入れ」とはいいません。遺骨を納めたからといって、亡き方がお墓にいるわけではありません。阿弥陀仏のはたらきによって仏さまとなり、私たちがお念仏のみ教えに親しむよう導いて下さっています。ですからお墓で手を合わせる時は、いのちをつないでくれたご先祖に感謝をし、お念仏をよろこびましょう。法要には、お花、線香、餅・菓子・果物などのお供えものを用意します。焼香セット(香炉、火種、お香)があればなお良いです。なお、塩、お米、酒などは用いません。仏教では、死を穢れと捉えないので、「清める」という考え方はありません。
以上です。
月刊天真特集号「墓地篇」が完成したら、また報告します。
 

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