天真寺通信

島根浄圓寺

【初映像制作】寺を護る_淨圓寺300年開基法要_

本年2015年4月8日島根県邑智郡美郷町志君の淨圓寺にて厳修されました
島根県淨圓寺開基300年法要
親鸞聖人750階大遠忌法要
真実院釋正念十三回忌法要
の映像が完成しました。
テーマは「お寺を護る」ということ。
天真寺のふるさとのお寺・淨圓寺300年開基法要&淨圓寺を支えて下さっている地域の方々の声をお伺いしました。
初めて映像制作に取りかかりましたが、後世にメッセージを伝えることは難しいなぁと実感しながら、たくさんの学びを頂戴しました。コチラが、淨圓寺300年開基法要の映像です。
■淨圓寺300年開基法要(2015年制作)


今週発売された週刊・東洋経済にて、「お寺とお墓の大問題」特集が出版され、千葉近辺では売り切れが続出。島根県岩見地方ルポ「消えていく寺の姿」のコーナーでは、1988年12月放映されたNHKテレビの報道番組「寺が消える~中国山地・ふるさとからの報告~」にて、岩見地方の過疎地寺院の窮状が注目され、仏教界に大きな衝撃を与えたことに関する続報が掲載されています。天真寺のふるさとのお寺・淨圓寺も、この番組にて特集をされ「過疎のお寺が消えて都市開教をする」という場面が放映されました。
■NHK特集『寺が消える』(1988年12月放映)

昭和63年9月、島根県から上京した西原正念が、当時浄土真宗の寺院がなかった千葉県松戸市に新しい寺院を建立する様子が放映されました。この映像から27年が経過。都市開教とは、人口が集中している都市部に新しく寺院を建立すること。それではなぜ、新らしい寺院を建立するのか「ご法義を相続するため」「地域の人々の心のよりどころ」・・・。都市開教の現場にいる僧侶が感じることを映像を通してお伝えしたいと考えておりました。
以前、日本テレビNEWS EVERYさんにて、「お寺を建立する」「お寺とは」どういう意義があるのかを問い、天真寺の日常を「寺離れに待った!僧侶ブラザーズ奮闘記」として放映して頂きました。「地域に開かれたお寺?」「地域の方々にとって、お寺とはどんな意味があるのか?」という問題意識があり、まだまだ模索中ですが・・・
■日本テレビNEWS EVERY 特集『寺離れに待った!僧侶ブラザーズ奮闘記』(2013年7月12日放映) 

淨圓寺の地域・志君では、昭和63年『寺が消える』が撮影当時、人口は43人でした。それから27年経過して現在の人口は10人。若い人は60才、多くが70才80才以上だといい、子どもがいない現状があります。先日出版された鵜飼さん著『寺院消滅』の書籍が思い出されます。
そのような現状のなか、今回収録に際して、淨圓寺の方が仰って下さった言葉が身にしみました。
「コミュニティーの形態が変わって、人が集まる場所が公民館・学校になってきているが、そこで教えるのは違う教育である。生きることの教育は、その地域・土地に根ざした寺院の役目。お寺(地域)ができた背景を学び、生かさせてもらっていることも感じることは大事なこと。」そして、「人口が少なくなってきても、皆さん、ものの数ではなく、頼れる所はお寺しか無いとあるので、大事に思っていかなければいけない」
地域のお寺、地域の方々が支えて下さっているのが寺院であります。その先人達の思いをしっかりと継承していくことが大切である。その中心には、阿弥陀さま、南无阿弥陀仏のお念仏の法統が継承されてきました。とても痛切に胸をうつ言葉でございます。
今回の撮影に関して、撮影をして下さった広島の映像制作会社TOBEさん。法要に参列下さった淨圓寺・天真寺・西方寺の門徒の方々、地域の皆さま。この制作に関して、ご協力頂いた皆様。本当にありがとうございました。
今後とも精進して参りたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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