天真寺通信
戦後の貧しさ
毎週日曜日朝七時から「みんなの日曜礼拝」です。この度の担当は龍哉。
ご和讃は、正像末和讃。「無碍光仏のみことには 未来の有情利せんとて 大勢至菩薩に 智慧の念仏さづけしむ」より六首です。南无阿弥陀仏は、第十七願に示されるように、諸仏が称揚讃嘆されている名号であり、私の称え心は問題にならない。恵信尼文書に示された法然上人は勢至菩薩の化身であるという夢を通してお聞かせいただきました。
終了後の茶話会では、戦後の貧しさが話題にのぼりました。終戦後は、食べるものが十分になく、お米の代わりに砂糖が配給された、サトウキビやトウモロコシの芯を食べた、砂糖の代わりサッカチンだった、サツマイモの茎をあげて食べた。戦争を生き抜いた方にお好み焼きを出したら怒られた、貧しかった頃のお話をお聞かせいただきました。
本日のご法事にて、戦後、北海道にて過ごされたおばあちゃんの思い出話になりました。昔は本当に貧しかった。おばあちゃんは、うどん粉を練ってうどんを作り、近所の方々に振る舞っていた。天真寺が河原塚にあった頃にも、門信徒の方々に振る舞って下さっていたそうです。今でも、天真寺には、うどんをこねる棒が残っています。みんなが貧しいがゆゑに、お互いに助け合いながら過ごしていた社会を思い浮かびます。島田洋七さんの『がばいばあちゃん』にも紹介されていましたが、「貧乏には二つある、暗か貧乏と明るか貧乏だ、我が家は明るか貧乏だ」というエピソードがありました。貧乏を悲しいこととして受け止めるのではなく、ともに助け合い支え合いながら生きていた力強い時代を感じます。現代は、物質的には恵まれていますが、根底にある支え合う心が見えにくくなっているなぁと実感しました。ちなみに、息子さんは、ウドンばかりを食べたていたので、今はソバ好きになったそうです。
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